買ったのは結構前なのですが、ぜひ紹介しておきたいと思ったこの本。
Final Fantasy XIVの公式小説です。
毎年、新生エオルゼア周年記念の読み物として公開されている◯◯秘話(蒼天だったり、紅蓮だったりする)をまとめて本にしたもので、書き下ろし以外の内容は公式Webサイトで読むことができます。
お話としては書き下ろし含め、私達がゲーム内で見ることができなかった過去から紅蓮までのお話なのですが、漆黒をプレイした後だとなるほど、この本は……と思わせる仕掛けがあるのです。
それを説明するには多少ネタバレしないと難しい部分があるので、話の内容に多少触れつつ感想を書いていきたいと思います。
また、漆黒のヴィランズのネタバレも含んでいます。こちらはクリア前提でお話させていただいておりますので、十分ご注意いただきたく思います。
- 商品名
- FINAL FANTASY XIV 光の回顧録 Chronicles of Light
- 価格
- ¥1,500(税込)
- 出版社
- スクウェア・エニックス
- 発行形態
- 新書
Index
序文と末文
いきなりそこか!?という部分ですが、これはWeb版(ロードストーン版)にはない箇所です。内容自体はなんだか大仰な文章だなぁと思っていたのですが、この本、「英雄」について書かれたものなんですよね。
第八霊災で多くのものを失った人々が、それでも希望を捨てず心の拠り所にした「英雄」の物語。その一つがこの本だと思われます。
この序文と末文には読む人への祈りが込められていて、それを受け取った人々は未来へと希望をつなぎ、そして水晶公と呼ばれる彼もまたこの本を読んだのかなーと。
最初に読んだ時は軽くさらっと読み流していたんですが、漆黒プレイ後にそれを知った時は衝撃的でした。
書き下ろしが読みたいなぁと思って何気なく買った本の重要性が後から増すって、なかなかできない体験だなぁと思います。
各話について
各お話について、内容に軽く触れつつご紹介したいと思います。好きなキャラが出るから読もうかなって思っていただければ。結末までは書いていないのでご安心ください。
また、個人的に好きな話については感想も書いてあります。ネタバレを含みますが、クリックorタップしないと見えないようになっているので、ご安心ください。
新生の章
新生の章となっていますが、第七霊災を振り返るお話です。
栄光のヴィクトリー号
グランドカンパニー「黒渦団」の提督、メルウィブのお話。ローズウェンとカルヴァランの関係がちょこっとだけ見られます。
女王陛下と7人のララフェル
みんな大好きナナモ様のお話。登場人物が結構多いです。タイトルからして8人はいると思えば、もっと多いです。サンクレッドが出てくるのですが、彼は結構いろんな一面がありますね。未だにキャラが掴みきれないぜ……!
去りし友、来たりし友
リムサ、ウルダハ、ときて次はグリダニア、カヌ・エ様のお話です。彼女の人柄がよく出ているお話です。カヌ・エの武器、オパールっぽいような不思議な質感でずっと前から欲しいなーって思ってるんですけど、あれは珪化木で作られているそうです。珪化木がオパール化したものなのかな?
カヌ・エ様はいつもイケメンを従えているのでそういう趣味なのかなと思っていたら、カヌ・エ様大好きヒューランの方は元属州民で命を救われた人なんですね!それは好きになっちゃうよね!
この方、クエストのときに話しかけるといつもカヌ・エ様のお話をしているのでめちゃくちゃ大好きなんだなぁって思っていましたが、ちゃんとしっかりした理由があって納得しました。いつか気持ちが伝わるといい……一方通行のほうが楽しいのでこのままの関係を見守りたいです。
彼女の15年
ミンフィリア(原初世界)のお話。サンクレッドが出てくるのですが、彼の一人称が「私」なんですよね。新生前と後では一人称を意図的に変えているようです。未だにキャラが掴みきれないぜ……!
ふたつの船出
アルフィノとアリゼーのお話です。新生の時はガン無視、上から目線の彼らでしたが、このお話では祖父に対する二人の考え方の違いなどが描かれています。挿絵のアルフィノとアリゼーが本をぎゅっと抱きしめているのが可愛いです。
ヤ・シュトラとウリエンジェどこいった!!?
蒼天の章
蒼天秘話8話のうち6話、公式サイトとは別の順に並べ替えられています。
銀剣のオルシュファン
タイトルの通りオルシュファンのお話。幼馴染のフランセルの視点で描かれています。少年時代のオルシュファン&フランセルの挿絵がイイですね!公式サイトでは少年オルシュファンのスクリーンショットも。
友と竜と
エスティニアンとアイメリクのお話。短いながらもバトルの描写がいいです。挿絵のエスティニアンが好きです。
最後の蒼天騎士
タイトル通りのお話です。シャリベルさんが出てきます。ゲーム中ほとんど出番のないキャラが中心です。
氷の女神
イゼルのお話です。ゲーム中、詳しくは語られなかった一幕です。挿絵のフレースヴェルグとイゼルが美しい。
花言葉
アルフィノのお話です。3.0中のストーリーを手記を見るという形で軽く振り返りつつ、アルフィノの内面の成長が伺えるお話。ニメーヤリリーのハーブティー、どんな味なんだろう……。
その旅路の始まり
とあるフォルタン家使用人のお話。これは内容については触れられませんが、とても好きなお話です。挿絵もすごく好きです。
届かなかった手紙の話。これは届かなかったからこそよかったのかもしれません。届かなくても、オルシュファンの気持ちは伝わっているだろうなというのもいいなーと思います。
ちょっぴり切ない、でも名もなき使用人の真っ直ぐな気持ちがどこか温かいお話でした。
宿命の章
蒼天秘話から2話、紅蓮秘話から1話、書き下ろしが1話という構成になっています。
女王陛下の二度目の宣誓
再びナナモ様のお話……というよりはウルダハのお話です。「女王陛下と7人のララフェル」のときよりも成長したナナモと、彼女と敵対しつつも悪とは言い切れないロロリトのやり取りは必見。
ロロリトの「金を支払うことこそ、商人の責任のとり方」という言葉。決して綺麗事だけでは終わらせず、一貫した姿勢を続けるロロリトはいい悪役だなーと思います。完全な悪ではないけど、悪役というのがぴったりかなーと。正直なところ、テレジ・アデレジとどっちがどっちかわからないくらい興味がなかったんですが、ナナモ暗殺未遂事件あたりからのロロリトはかなり好きです。
荒野を往く少女
アリゼーのお話。アリゼーらしさがよく出ているストーリーで、好きな話の一つです。アルフィノもそうですが、アリゼーも日記をつけているんですね。
アリゼーには「別れ」がついて回りますね。失って、落ち込んで、再び立ち上がって。彼女の強さは魅力的ですが、幸せに笑う姿も見たいなーと思っています。ヒカセンの横に並んで立てることが一番幸せなのかもしれませんが。
少年たちの魔導展
シドとネロの少年時代のお話。公式同人と言われていましたが、割とその通りの内容だったりします。挿絵のドヤ顔仁王立ちの少年ネロさんがかわいいです。
その掌が血に染まるまで
ゼノスのお話で、書き下ろしです。14歳のゼノスが出てきます。
紅蓮の章
紅蓮秘話から7話、書き下ろし3話という構成です。
一夜に咲いた艶花
ヨツユとゼノスのお話です。挿絵のヨツユの後ろ姿が色っぽいです。タイトルがなんだかちょっとセクシーですけど、老若男女誰が読んでも問題ない内容です。
月とともに眠る前に
余輩ことマグナイのお話です。この話だけ、文体が物語風で挿絵も可愛らしい印象です。アジムステップの描写がきれいです。
マグナイが女性慣れしてなさすぎて、ナーマ探しは前途多難ですね🥴
サドゥがいい味を出していて好きです。か弱い女性に優しいところもいいですね!マグナイがサドゥのような性格だったら、すぐにナーマが見つかったんだろうなぁ……。
文体と話の内容のギャップがいいなと思います。
クガネ遊戯
タタルとハンコックのお話で、書き下ろしです。挿絵は必見!
小さな賭けの勝者
ピピンとラウバーンのお話です。このお話もお気に入りの話の一つです。ラウバーンって貴様って呼んでくるしなんか怖いと思っていたんですが、この話を読んで印象が少し変わりました。
紅き衣の友
ミコッテのメ・ナーゴのお話。というよりはリセのお話かもしれません。
蒼を捨てた竜騎士
エスティニアンのお話。紅蓮と漆黒の幕間のお話と言えるかもしれません。
とある午後の茶話
アリゼーとリセ、ヤ・シュトラのお話。通称女子会。公式サイトで読んだときにとても気に入った話です。こういう日常っぽい雰囲気の話いいですね。私も仲間に入りたいです。
罪人の戦
アレンヴァルドとフォルドラのお話。彼らのその後といったところでしょうか。どちらかというとフォルドラのお話かな、と思います。
想ひ染む
書き下ろしのユウギリのお話。他にも登場人物がいて、そっちがメインなのかもしれませんが私はユウギリのお話かなーと思いました。ゲーム中ではクールな彼女の不器用さ、実直さが伝わってくる、一番好きな話です。
とある午後の茶話での、「ヒエンのことを特別に好きなのは別の人だ」というリセの発言。この話を読む前はユウギリなのかな?と思いましたが、シリナの事と見るのが自然かなと思いました。
シリナの話を聞いて突き動かされるユウギリの優しさや不器用さが可愛くて、ゲーム中では見られなかった一面が素敵だなと思います。恋には満たないかもしれないけれどその兆しが見えるような、そんなお話でした。
最後の死場
ゴウセツのお話。書き下ろしです。こちらも不器用ながらも情に厚く心優しい武人、ゴウセツの人となりが表れているお話です。
ウリエンジェどこいった!!?
漆黒のヴィランズでは大活躍していたので、お話書いてもらえるといいね……ウリエンジェ……。
まとめ
Web掲載されたものがほとんどだしなーと思っていたんですが、書き下ろし小説も含めて書籍版にしかない部分がとても気に入っています。一話一話が短いので、小説は苦手という方でも読みやすいと思います。文体も癖がないものがほとんどですしね。
現在は公式Webサイトで漆黒秘話も公開されているので、合わせてどうぞ!